しんです。
今日は北九州マラソン2019の開催当日。朝の5時すぎに起床し、小倉へ向かいます。
しらじらと空が白み始めた午前6時半すぎ。地下鉄で博多駅に向かい、
7時すぎの新幹線に飛び乗りました。周りはどうやらランナーだらけ。
やはり降りる人が多い小倉駅。
小倉駅から魚町銀天街を抜けて、スタート地点の北九州市役所へと向かいます。ボランティアの人たちが行き先表示を持って立っているので、道を知らない人でも大丈夫。それに、周りは同じランナーばかりですからね。
小倉駅から歩いて10分で市役所に到着。北側からランナーだけの制限エリアに入り、地下の更衣スペースへ。
着替えて地上に戻り、手荷物を預けます。流れはとてもスムーズでした。
準備運動をして、ちょっと早めですがスタートブロックの整列に並びます。橋の上からは、「走」と描かれた北九州市役所と、以前の勤め先があったリバーウォーク北九州が。
思ったほどではありませんでしたが、やはり2月の早朝は寒い。特にスタート位置は吹きさらしの橋の上です。ランナーに配られる透明なカッパは、晴れていても必須です。
9時にスタート。ゲートの上にいるのは、今年のNHK大河「いだてん」の中村勘九郎さん、増田明美さんら。私は約8分遅れてスタートラインを通過しました。
それでは、行ってきまーす。
まずは八幡方向へ、真っ正面に皿倉山を見ながら進んでいきます。以前住んでいた下到津も通過しました。こんなところにコンビニあったっけ?などと懐かしみつつ、走りました。
到津の森公園を通り過ぎ、コースで最も高低差が大きいところにさしかかります。坂がだらだら続きますが、スタート直後なので、まったく平気です。逆に下り坂では一気に下りていくので、体が元気な分、どんどんスピードが出てしまいました。
風船をつけていたランナーを前方に見つけ、「きっと4時間半のぺーサーだ」とがんばって追いついたところ、5時間のぺーサーでした。ちょっとがっかりしましたが、そのままの勢いで坂を下りていきます。
私は今回、1キロ6分20~40秒で32キロまで走る目算でいたのですが、このときのラップは1キロ5分37秒まで上がっていました。
スタートから約8キロ、八幡製鉄所の高炉跡が見えてきました。
閉園になったスペースワールドの近くを走ります。シンボルだったスペースシャトルが取り壊され、見られなくなって残念でした。
10キロあたりまで来ても、ちょっとした坂を一気に上っては下りでさらに加速するという感じで走り、快調なペースを維持。下り坂を利用して前半に「貯金」をかせいでおき、後半はできるだけイーブンペースを維持できれば、まずまずのタイムが出るのでは……。アタマのなかで、こんな皮算用をはじいていました。
快調に走れているので、このペースを落としたくはなかったのですが、楽しみにしていた真颯館高校のハニージンジャースノーボールのためにエイドで停止。おいしかったのですが、あわてて写真を取り損ねました。ネジチョコはおいしかったけど、ちょっと堅かった……。軟らかいと、それはそれで惨事になりそうですが。
20キロは2時間12分ほどで通過しました。
れいが新幹線で小倉に到着し、駅の近くで私を待とうとしていたようですが、思ったよりも私のペースが速く、間に合わなかったそうです。
というわけで、下り坂でタイムをかせいだおかげで、予定より速いペースでハーフの距離を走破しました。そして22キロを過ぎたころ、10キロ地点ぐらいからがまんしてきたトイレで小休止したのですが、いったん止まってみると、足が思った以上にきつくなっているのに気づきました。
これからも同じペースで走れるかな…という不安は的中し、26,27キロ地点で足が上がらなくなり、止まってしまいました。
足の裏や股関節に痛みが出てきていますし、ハラも減ってきました……。しばらくは歩きと走りを織り交ぜつつ進み、体力の回復を図ることにします。
27キロのエイドステーション。普段の大会ではおなかに重そうで食べないのですが、羊羹やぼた餅でエネルギーを補給。甘い物が助かります。
門司港までの長い長い道のりは続きます。ようやく30キロ地点、海峡ドラマシップまでやってきました。ここまで遠いわ……。
門司港レトロで折り返します。とろとろ走っていると、後ろから小柄なメーテルに抜かれました。
32キロ地点の手前では、距離の調整のためか、ぐるぐるコースを回されます。関門橋はきれいなのですが、風をまともに受けて寒いです。
スタート地点で来ていたカッパは、小倉あたりで脱ぎましたが、門司では風をより受けるようになってふたたび着込みました。ちなみに、この後もう一度脱ぎ、またまた寒くなったのでかぶり直しました。脱いだり着たりは面倒ですが、カッパは捨てずにおいたほうがいいかと思います。
32キロのエイドステーションで、お母さんたちの熱烈な(にぎやかな)エールを受けて、思わず手が伸びてしまったこんぺいとう等。「どれがいいですかねー」などと軽口をたたいて走り出した直後でした。後ろから圧力を感じて思わずコースの端に寄ると、ランナーの集団が通り過ぎていきました。
それは、5時間半のぺーサーを中心としたランナーたちでした。
「やばい!」
実は、門司港レトロの折り返しでは何度も、行き違う後続のランナーのなかに5時間半のぺーサーたちがいないか、気にして見ていたのです。
もうこれから5時間以内にゴールするのは無理だとしても、残り数キロはきっちり走り切ってゴールしたい。歩きを入れてながら走っている限り、いずれぺーサーには追いつかれるでしょうから、それまではのんびり走って体力をチャージし、追いつかれてからがんばろう……そんな作戦(?)を描いていたのです。
折り返しではぺーサーの姿が、目印になる風船が見当たらなかったので、安心していました。とはいえ、追いつかれてしまったので仕方ありません。どこまでついて行けるかわかりませんが、できるかぎりふんばります…。
といっても、やはり体力は足りませんでした。3キロほどは1キロ7分ぐらいでついていけましたが、エイドで給水した後、足は動きませんでした。
さよなら、ぺーサー。あとは制限時間である6時間のぺーサーに追いつかれないようにせねば……。
「完走できない」という恐怖の現実がしのびよってきました。
しかし、ハラが減ったランナーは、誘惑には勝てなかったのです…。
小倉牛の丸焼きです。
38キロ地点にあるエイドは、小倉牛の丸焼きが食べられる場所として有名です。向いの車線を走っているときから、香ばしいにおいを周囲にまき散らしていました。
制限時間にひっかりそうなランナーにまで回ってくるのか心配でしたが、まったく大丈夫でした。ランナーの行列もできていて、「ちょっと時間かかります」とも言われたのであきらめて先に進みかけましたが、思い返して数メートル逆走(←危険です)。
関門ランナーが後ろからひたひたと迫ってくる焦りに、お肉の香りが勝りました。
遅いランナーにもちゃんと提供してくれる、そんな姿勢がうれしいですね。提供してくれたのはハマダさん。感謝の気持ちとともに、リンクを張っておきます。 tensui1129.com
それにしても心が折れそうになるのは、はるか先にゴールのある小倉が見えているコースです。鹿児島マラソンもそうですが、「あのけぶって見える街までこれから行くのか…」と思うと、足が止まりそうになります。止まりましたが。
あと1キロちょっと、というところで、隣を走っていたランナー二人が話をしていました。
「5時間半、間に合うんじゃない?」
「キロ6分ちょっとで行くのは難しいんじゃない?」
「行くか?」
「行こう!」
手元の時計を見ると、私は1キロ7~8分で行けばなんとか5時間30分を切れそうです。せめて、と思ってスパートをかけました。
この展開、一昨年の鹿児島マラソンみたい。がんばるしかない。
このときのように、1キロ6分台までペースを上げるのは無理でしたが、もう歩かずにゴールはできそうです。
あの交差点を曲がったらゴールまで一直線のはず……。その角に、手を振るれいが見えました。
きついコースだったよ、でもがんばったよぅ……。涙が出そうになりました。
熊本城マラソンと違って、今回はフェイントもなくゴールできそうです!
ようやくゴールしました。手元の時計で5時間28分。なんとか間に合いました!
完走した後は、ビールと温かいラーメンが五臓六腑にしみわたりました……。
今回は、銀河鉄道999のメーテルが刻まれた完走メダルをいただきました。地元の小学生が書いてくれた応援メッセージとともに。
というわけで、前半突っ込んで撃沈したことを深く反省するとともに、今回もれいに多大なサポートをいただきました。
今回も楽しく走ることができました。ありがとうございました!!