しんです。
先日ブログに書き込みました「捕食者なき世界」の続編の「ねずみに支配された島」を読み終えました。
- 作者: ウィリアムソウルゼンバーグ,William Stolzenburg,野中香方子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/06/13
- メディア: 単行本
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生物が長い時間をかけて独自に進化し、多様性が豊かな島。しかし、人為的にそれまではいなかったネコやイタチ、ネズミなどの外来捕食者が侵入したことで、生態系のバランスが崩れ、生物の多様性が失われていきます。その崩壊を食い止めようとする研究者らの奮闘を描いた本です。ニュージーランドの飛べない鳥、カカポのエピソードなどは、現在も継続している話題です。
たった1、2匹のネズミが爆発的に増え、無防備な鳥を殺戮しまくった末に、数万、数十万羽もいたコロニーが消滅する様子には寒気がします。そして島の環境すら変えていくのです。
この本では主にネズミに焦点を当てていますが、人間の経済活動が地球規模に広がった結果、作物や飼料などと一緒に植物が、船底にくっつきバラスト水と一緒に貝類が、飛行機の乗客と一緒にウイルスが、本来はいるはずがない場所に移動していっています。そして、ブラックバスをあちこちの湖沼に放流し、飼えなくなったカミツキガメを川に放つような輩がいる世界です。森で、湖で、海で、外来種によって在来種が駆逐され続けている現状を、多くの人が知るべきでしょう。