しんです。
本日午後10時51分、宇宙航空研究開発機構の小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還、大気圏に再突入して、消滅しました。03年に鹿児島・内之浦からM5ロケットで打ち上げられてから、7年の旅の終わりでした。
はやぶさ帰還は、会社でネット中継を見ていました。ニコニコ動画(追い出されましたが、別の手で…)の映像で、真っ黒な夜空にぼわっと浮かんだ光芒を見ることができました。
(写真は、宇宙機構(JAXA)提供)
05年11月、はやぶさがイトカワに着陸する様子を、JAXAのある相模原で見続けました。着陸するときはいつも真夜中で、毎回ほぼ徹夜を強いられました。そして、とても寒かった。でも、真っ黒な宇宙のなかに浮かび上がったピーナッツのような形をした小惑星イトカワがどんどん近づくさまがネット中継され、それを見ながら、「僕らはいま、宇宙開発の最前線にいるのだ」と興奮しました。NASAにもできなかったことを日本が成し遂げた瞬間に、僕らは立ち会えたのです。
その後、はやぶさは大きなトラブルに見舞われ、何度も全損の危機にさらされましたが、それをことごとく克服しました。
すごい探査機でした。
はやぶさが大気圏に再突入する直前に映したのが、この写真です(JAXA提供)。
この写真を地上に伝送中、はやぶさは地球の影に入って通信が途絶しました。そしてオーストラリア上空で、バラバラになって消滅しました。
ネットで中継を見ていたら、はやぶさが放出したカプセルから発せられるビーコン(電波の信号)が聞こえてきました。とても力強い音でした。
もうずっと前から知っているのに、最初で最後に聞いた彼の「肉声」でした。
60億キロの虚空の旅、本当にお疲れ様でした。
さよなら、はやぶさ。